硫酸塩泉
温泉の泉質の中の一つ、硫酸塩泉は、結構複雑な泉質かもしれません。というのも、芒硝泉や明ばん泉など、いくつかの泉質と関連性があるため、ごっちゃになりやすいからです。
基本的には、硫酸塩泉は温泉水1kgの中に含有成分が1,000mgを超えているお湯で、その陰イオンの主成分が硫酸イオンというのが定義です。ですが、硫黄泉と同じく複数の主成分を持っているケースが多く、そういった場合は名称が変わってきます。
例えば、ナトリウムを含んだ硫酸塩泉は芒硝泉と呼ばれ、カルシウムだと石膏泉、マグネシウムだと正苦味泉、そしてアルミニウムだと明ばん泉となるのです。
これだけならまだしも、これらの名称は旧泉質名です。その為、さらにややこしくなっているのです。
もっとも、新泉質名は成分をわかりやすくするように付けられているので、そういう意味では確かにわかりやすくはなっています。
芒硝泉はナトリウム-硫酸塩泉、石膏泉はカルシウム-硫酸塩泉、正苦味泉はマグネシウム-硫酸塩泉といったところですね。明ばん泉はアルミニウム-硫酸塩泉となっています。
この硫酸塩泉、基本的には怪我や通風、腰痛肩こりに効くと言われていますが、成分によって当然効能も変わってきます。
例えば、アルミニウム-硫酸塩泉の場合は水虫、じんましん、皮膚の炎症などに良いとされ、カルシウム-硫酸塩泉だと、鎮痛効果があるので、火傷や打ち身、あるいは痔などに効果があると言われています。
硫酸塩泉を堪能できる登別温泉の旅館は結構多く、『登別 滝本イン』、『ホテルゆもと登別』、『御やど 清水屋』などとなっています。登別温泉の旅館の特色のひとつといっても良いかもしれません。